夏休みに注意すべきSNSトラブル
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- カテゴリー : SNSの基本
夏休みは旅行やイベントも多いため、SNSの発信頻度も高くなる季節。
同時に、SNSが原因で思いがけないトラブルに巻き込まれる可能性も高まります。
今回は、SNSトラブルにあわないためのコツを、事例を交えながらお伝えします。
Contents
SNSトラブルの現状
今やSNSは生活に欠かせないツールになりました。
総務省によると、45.1%の人が何らかのSNS発信を経験しているという結果が出ており、それ以外の31.9%の人は、情報発信はしないまでも、友人知人の書き込みなどの閲覧はしているというデータが発表されています。SNSを使っていない人の割合は低く、全ての年代で70%以上の人がSNSを利用しています。
SNSの浸透と同時に、トラブルも急激に増加。10代・20代では26.0%、30代では12.1%、40代では14.1%がSNSトラブルにあったことがあると答えています。
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242230.html
(出典)総務省「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242240.html
SNSトラブルの怖いところは、被害者だけでなく、加害者になってしまいかねないところです。悪意はないのに、ちょっとした不注意で人間関係がこじれたり、無意識のうちに犯罪を助長したり。予想だにしない形で情報がひとり歩きしてしまう危険性もあるSNS。便利で楽しい反面、身を護る術を知らないとたいへん不快な思いをしてしまいます。
特に、夏休みになると、花火大会、BBQ、海やプール、キャンプ、旅行など楽しいイベントがたくさん。楽しい思いをSNSで配信する頻度も高くなります。お子さんがいらっしゃる方なら、家族の写真も投稿したくなりますよね。
学生さんも、夏休みでSNSをする時間もたっぷりあります。
そんな時こそ要注意です。
次節からは、具体的な事例を挙げて、問題点と対策をご紹介していきます。
具体的なトラブル事例と対策
不用意な投稿やコメントが人生を変えた例
顔が見えないSNSの最も怖い側面です。Facebookは実名利用がルールですが、Facebook以外のSNSは、自身が公開していない場合、顔も名前もわかりません。
だからこそ、無責任な発言をしてしまう人が多く、炎上が後を絶ちません。
少し前になりますが、2011年、とある学生が、Twitterで不用意な発言をしてしまい大炎上。この学生は大手百貨店の内定をもらっていたそうですが、このトラブルでFacebookのアカウントもバレてしまい、個人を特定されました。
結果、yahooニュースでも流れ、百貨店の内定は取消になったそうです。
この学生は、Twitterだったら何を言ってもわからないだろうと思っていたのかもしれません。しかし、友人知人など、見る人が見ればわかることもありますし、炎上してしまってはもう本人の意思では収拾がつかなくなります。
この場合、たとえ匿名であっても、インターネットの向こう側には世界中の人がいるという意識が欠けていたことが根本的な原因です。
「これを言ったらどうなるだろう。誰かが傷つかないだろうか。」と、投稿する前に一呼吸置くと防げたことです。
顔が見えないからこそ微妙なニュアンスが伝わりにくく、誤解を生むこともあります。そんなつもりで言ったわけではないのに、違う解釈をされて人間関係がこじれることは誰にでも起こりうること。SNSでの発言は、慎重になるくらいが丁度いいと言えます。
フェイスブックで秘密がバレて人間関係が壊れる例
写真や動画を投稿する際、一緒に写っている人に同意を得ずに投稿。これは、一緒に写っている人が、誰といつどこにいて何をしているのかを公開していることと同じ。
実際に、芸能人でも、恋人ではない人と遊びに行ったときの写真を公開されて、それが恋人に見られてしまい破局するということもありましたね。
自分が写っている写真を勝手に投稿されて、不快に感じたことがある人は多いのではないでしょうか?たとえ、特に弊害がなかったとしてもです。
写真には著作権と肖像権が発生しています。写真を撮影した人には著作権が、写真に写っている人には肖像権があります。したがって、他人が撮影した写真を投稿する時は撮影者の承諾が必要ですし、自分が撮影した写真でも自分以外の人物が写っていたらその人の承諾が必要です。
さらに気を付ける必要があるのは、背景に人物が写り込んでいる場合です。顔がわかる場合は、モザイクやスタンプなどで隠しましょう。
タグ付けも、相手の同意を得ることがマナーです。
自分が原因で誰かのプライベートや秘密がバレてしまうなんてイヤですよね。
れっきとした法律ですので、知らず知らずのうちに法を犯すことがないように慎重にならければいけません。
また、自分の写っている写真を投稿してほしくない場合もあると思います。写真は投稿される可能性があるという認識で、「私の顔はモザイクで消してください。タグ付けはしないでください。」と一言伝える勇気も必要です。自分の身は自分で守るという意識を持ちましょう。
個人情報流失で危険な目にあう例
SNSの情報発信でプライベートが多くの人に知られると、危険なことも増えてしまいます。
以前、アイドルが自宅マンション前で自撮りした写真をブログにアップ。熱狂的なファンが、写真の端に写っていた自転車を手掛かりにアイドルの自宅を探し当てました。
これは芸能人だから起こったトラブルというわけではありません。
例えば、女子高生が制服で写真を撮り、SNSで投稿。制服で学校が特定できてしまいます。加えて、GPSの位置情報機能がONなら、最寄り駅や生活圏も公開されてしまいます。もしこれがご自分のお子さんだったらどうでしょうか。ゾッとしますよね。
投稿を見る人の中には、違った視点で見る人もいます。
SNS経由で性犯罪などの危険な目にあう被害者は16歳が最も多いと言われています。中高生は、SNSというと普段から仲良くしている友達同士のコミュニティという認識で、それが世界中に繋がっているという意識が低いのが現状です。日頃から保護者がSNSの怖さも伝え、教育していくことが大切です。
子どもを性犯罪から未然に守る例
以前は、未成年者の性犯罪は出会い系サイトを通じて起こっていました。これが社会問題となり、18歳未満の利用が禁止された出会い系サイト規制法が施行されました。
出会い系サイトでの犯罪数が減る一方、SNSを介して子どもが犯罪に巻き込まれる事例が多発しています。面識のない人と交際目的で交流できるサイトがありますが、「友達を募集しています」という建前のため、規制法が適用されません。
さらに今は、LINEなどのメッセージアプリで気軽に個人と個人が繋がることができるようになりました。面識のない人から承認要請のメッセージが来て、気軽に承認してしまう。中高生など若い世代はあまり抵抗なく、他人と繋がる傾向にあるようです。それが元で犯罪に巻き込まれる事例が増えています。
相手からの要求で気軽に自分の写真を送ってしまう事件は後を絶ちません。「SNS上だけのお付き合い」という距離感はリアリティを感じさせず、危機感も薄くなってしまいます。いったん外に出た写真は、たとえすぐに削除しても、相手がコピーしていたら半永久的にネット上からは消えません。その点を認識したうえで行動してください。
LINEの場合、いくつか制御機能があります。例えば、「友だち自動追加」、「友だちへの追加を許可」の機能をOFFにする。
Facebookも、ブロック機能や、自分の投稿を見れる範囲を設定することができます。
デマ情報に惑わされる例
今や情報収集の手段はインターネットです。新聞やテレビよりも、ネットで情報を得る方が多いのではないでしょうか。しかしインターネット上の情報は玉石混合です。
昨年の熊本地震の際、SNSは大きな力を発揮しました。「〇〇が足りません。」と言った現地からの発信が拡散され、支援物資が届けられたそうです。
一方で、デマ情報も流れました。「動物園からライオンが逃げた」とか、「ショッピングモールで火災発生」や、「〇時〇分に〇〇に震度7の地震がくる」といった情報でした。
地震で混乱している時に、このような情報を目にするとさらに不安になりますよね。悪質としか言いようがありません。
他にも、iPhoneを電子レンジで温めたら充電できるという内容のデマが流れ、実際にやってしまった人がいるそうです。
投稿に「拡散希望」の4文字があると、人は善意のもと、拡散してしまうのです。その情報の真偽を確かめる前にどんどん広がっていく…。
SNSで一度発信した情報は、完全に消し去ることはできません。
自分がデマ情報を拡散させる一端を担ってしまわないよう、発信者、情報の出所、内容の確認をする必要があります。
流れてくる情報が全て真実ではないということを忘れない。情報にまどわされない自覚が必要です。
SNSと上手く付き合うために
ここまでSNSで起こる様々なトラブルのほんの一例をご紹介してきましたが、トラブルに巻き込まれないようにする予防方法としては、2つ。
1つ目は、SNSの機能を知ること。
2つ目は、個人情報や情報元についてもっと敏感になることです。
1つ目のSNSの機能を知ることとは、知らない人から検索されないような設定にしておくとか、自分の投稿は友人知人しか見れないように設定するなどです。SNSを活用する目的によって設定は異なってきますが、こういった機能を使うことで防げるトラブルはたくさんあります。
2つ目は、SNSリテラシーと言われていることです。自分や友達の個人情報をもっと大切にし、「この投稿でプライバシーは流出しないか」と想像しながらSNSを使うことです。その投稿は世界中の人が見ていて、中には違った解釈をする人もいることを念頭に置いておくことが大切です。
情報元についても、怪しいサイトかどうか見極める習慣をつけておくと、トラブルに巻き込まれることも少ないでしょう。
Summary
この記事を書いている私も、かつてSNSトラブルにあったことがあります。
詳細は、前回のインタビューブログでも書かれていますが、Facebookを活用して事業運営をし、セミナーなどを開催している私は、当然WEB上での露出が増えていきます。すると、嫌がらせの電話やメールが来るようになったのです。
この事実をSNSで発信すると、影響力のある方がシェアしてくださったおかげで、それ以降、嫌がらせは止まりました。
くしくも、SNSでそれ以上のトラブルを防ぐことができました。
ただ、このように書くと、SNSって怖い!と思ってしまいますよね。
でもやはり現代においてSNSの力は大きく、上手く使えばメリットが大きいことは事実です。
弊社では、SNSを使った集客を推奨しており、その支援をすることがメイン業務ですが、特に自分自身が商品になるような業種の方は、SNSを使ってブランディングをしていくことが今後さらに必要になると思います。
SNSはビジネスをする上でたいへん有効なツールです。重要なのは、「何の目的でSNSを使うのか」を明確にして利用するということです。
SNSは本来便利で楽しいものです。
SNSは無機質な世界に見えますが、ネットの向こうには生身の人間がいます。
自分の情報は自分で守る。発言には責任を持つ。相手の気持ちを想像する。人としての節度と良識をもって使えば、世界はどんどん広がります。
トラブルなく、SNSのメリットを享受できるように活用していきましょう!
株式会社ROC代表取締役/行政書士/SNSジャーナリスト
坂本 翔
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